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 2007.01.08 Monday
布汁椀 入れ子 古根来塗り

 眺めているばかりでは仕方ないので、漆のお椀を1セット買ってみた。
 まともな木地をきちんと下地仕上げをすると輪島塗だと加飾なしで1万円以上はする。蒔絵などが入ればその2倍、3倍はする。
 ネットでも多数販売しているが、木地の厚さとかなんといっても現物をじっくり見たいということもあり、暮れに新宿伊勢丹の和食器売場を見て廻った。
 3千円くらいから漆器のお椀があるが、品質表示(素材、下地、塗りの種別)がないものが多いのでこれはダメ。もう少し高い価格帯になると無地でよさそうなものがあるにはあるが、大きさが合わなかったり、蓋付きだったりする。蒔絵のあるものはすぐに桁が上がり、2、30万円のものはざらで100万円以上のものも多数あった。もちろん、これらには縁がない。赤木明登作の無地のお椀もあったがこれはたしか3万円以上もしたので予算の想定外。というわけで伊勢丹での購入を諦める。 

 で、結局ネットで購入した。購入したのは「布汁椀 入れ子 古根来塗り」というもの。リンク先の紹介文のとおり「価格は高いし、扱いが難しそう。使い方で失敗してダメになるのが怖い」人向けのもの。
 入れ子で3つのお椀で14,175円というのは1つあたりだと5千円以下なので少し安いが、木地が中国産で塗りが輪島ではなく根来なのでそんな価格に抑えられるのではないかと思う。根来塗りは黒漆の地に朱漆をかぶせたもので本来は使っているうちに上塗りの朱がはげて下の黒が見えるというものであるが、最初からそのように見せているこのお椀のような塗り方も根来塗りという。
 高台(お椀の底の支え部分)が高くなく、布の補強は購入条件に合っているのでこれにした。


 一番大きいのはご飯、真ん中のは汁椀、小さいのは今のところぐい飲みに使っているが、ぐい飲みは左の写真のでもそのうち欲しいな、と思っている。
* by 多摩の岳夫 * 15:40 * 漆芸 * comments(0) * - *
 2006.12.23 Saturday
「人間国宝 松田権六の世界」
「人間国宝 松田権六の世界」 公式サイト

東京国立近代美術館工芸館
東京国立近代美術館工芸館。
近代美術館という響きから想像していた現代風の建物とは大違い・・。
人間国宝 松田権六の世界の看板
人間国宝 松田権六の世界の看板
開催間もないせいか、観覧者は少なくゆっくりと見ることができた。

パンフレット表
蒔絵鷺文飾箱の鷺を大きく上に、入場券のデザインにもなった蒔絵螺鈿有職文飾箱が下に

パンフレット裏
生前の写真と主要な展示品の紹介

図録。幅広のA4版。2,000円(税込)。今回出品された松田権六とその師、弟子たちの作品、楽浪郡遺跡や中尊寺等の写真までたぶんすべてをカラーで収録しており見ごたえがある。

代表作 蓬莱之棚は見開きを含め6ページで構成。展示では見られなかった扉の裏面や底も見られる。

 東京国立近代美術館工芸館で開催中の「人間国宝 松田権六の世界」を見て来た。
 松田権六の名前を知ったのはつい最近、偶然手にした「うるしの話」がきっかけ。その後、いろいろ調べてみるとこの人の漆芸界での功績というのは相当すごいということがわかった。しかし漆芸の世界は例えば陶芸と比べてもかなりマーケットが小さいのか、図書館での関連蔵書数は陶芸の1割にも満たないようで、最近の作家を除くと近代の陶芸はほとんどが松田権六に関係してくる。
 展示会でどの程度の数の作品が見られるのか全く分からなかったが、チケットを格安で入手したので試しに行ってみた。入場前の懸念は無用だった。松田権六以外にも彼に影響を与えた師あるいは弟子の作品、修復や発掘に関わった楽浪郡の遺跡の実物、尾形光琳、中尊寺金色堂(これはさすがに写真・・・)など、権六に関係した作品が集められていた。
 権六の作品となると大型の蒔絵作品が有名であるが、今回は茶碗や棗(なつめ。茶道具)など、多少身近なものも多く展示されていた。しかし茶碗ひとつにしてもいかにも高価そうだったが・・・。
 図録は2000円だったが、A4版で195ページの大部なもの。これを求めるだけでも行く価値がある。チケットはもう1枚あるので終了までにもう一度見に行きたい。
* by 多摩の岳夫 * 19:32 * 漆芸 * comments(0) * - *
 2006.12.16 Saturday
赤木明登「漆 塗師物語」
漆 塗師物語
赤木明登「漆 塗師物語」を読んだ。塗師は「ぬし」と読む。
 赤木は1962年生まれ、1997年ドイツ国立美術館「日本の現代塗り物十二人」に選ばれている。どうしてそんなに早くに選ばれたのか、数ある職人のうち、どうして彼が有名なのか。しかもその作品はごく普通でそれほど高価でもない。お椀で15000円くらいであり、通常の輪島塗の平均的な価格。
 というわけでぼくの中ではかなりの有名人だったので27歳でマスコミの世界から職人修行を始めた修行記録に少しだけ興味があった。

 人との出会い、人のネットワーク、そして夫婦の絆。そんな少し背中がむずかゆくなる台詞が自然と浮かんでくるような記録であった。出版界の派手な生活、毎日午前様、そんな生活に決別して何の縁もコネもない塗り物の世界に唐突に飛び込むことは本人の勇気はもちろん、展示会の企画が職業で職人とはなんぞやというものをある程度分かっていた家族があってのことであろう。
 朴訥な親方、岡本進さん、紹介してくれたお寺の住職、そしてこの世界へのきっかけを作った角偉三郎。なかなか個性的な人と田舎の人のつながりが読んでいて気持ちが良い。年季明けの94年に「日本の現代塗り物十二人」の候補になるのも角偉三郎あってのこと。
 しかし職人はよく酒を飲むなあ。
* by 多摩の岳夫 * 11:11 * 漆芸 * comments(0) * - *
 2006.11.22 Wednesday
漆(うるし)の本(その2)
「産地別 すぐわかるうるし塗りの見わけ方」 輪島塗、会津塗といった産地別にその特徴などを紹介している。最初に工程や用語集などを置き、産地別の解説が続く。
 津軽、秀衡、浄法寺、鳴子、輪島、山中など国内が琉球を含め31、海外はタイ、ミヤンマー、ベトナム、朝鮮、中国、台湾。産地別に特徴や歴史のほかに下地や塗りについても記載され、巻末に買い方、手入れなどの解説、詳細な用語集もついている。
 最初にページをめくったときは、さながら観光ガイド的な甘い構成かと思ったが読むべき材料は揃っており、なかなかの良書であるが結局のところ「見分け方」は信用できる店で材質等の表示を見てそこそこの価格のものを買うことのようだ。2000年12月刊行。
荒川浩和・山本英明・高森寛子「ほんものの漆器―買い方と使い方」
1997年刊行のとんぼの本。表題のとおり入門用の実用書である。著者の荒川浩和は東京国立博物館漆工室長であり漆芸史が専門。山本英明は塗師(ぬし)、高森寛子は漆器や道具に詳しいエッセイストである。漆器の使い方の話や所蔵品の写真では白洲正子も顔を出している。
 材質、価格、買い方、手入れなど基本的なQA、用語集も揃っており実用的な入門書である。刊行年が古いのでその点を留意する必要があろう。
 なお、20年以上前から販売しているという山本英明のお椀はリンク先で見たら16,800円。この本では16,000円だった。

高森寛子(文)・大屋孝雄(写)「漆の器それぞれ 」
 上記の「ほんものの漆器―買い方と使い方」を編集した高森寛子が懇意にしている漆職人たちの作品、主としてお椀、をインタビューを交えて紹介するやや高級なカタログといえる。もっとも価格が表示されていない作品も多いが。
 途中に漆器ができる工程を漆掻きから解説してあるものの、漆器について全く知らない状態で読むのはやや困難。上の2冊のうちいずれか程度の基礎知識はいる。でないと用語や雰囲気がわからないだろう。というわけでこの3冊のなかでは最後に読んだ。子供向けの漆器(お椀やスプーン)などの解説もある。
 巻末にそれぞれの作者の作品が見られる場所などの情報が掲載されているが、多くは地方でありWEBを持っている方も少ない。したがって気に入ったからといって簡単には購入できないが、2006年7月刊行であり現代の著名な作家のカタログといえようか。

* by 多摩の岳夫 * 01:00 * 漆芸 * comments(0) * - *
 2006.11.19 Sunday
漆(うるし)の本
漆(うるし)についての本をいくつか読んだ。
 山や、ハイカーにとって里山に生える漆の木は嫌われ者である。かぶれるから。家にあるお椀もたぶんみんな樹脂性のもので、漆には全く縁がなかった。
 最近、漆器のウルシが乾くという事象が水分蒸発ではなく、化学反応・酸化であるということを聞いて、ほう、と思っていくつか本を探してみた。

松田権六「うるしの話」
松田権六「うるしの話」
最初に読んだのがこの本。文庫なので読みやすそうだと手にした。
 人間国宝、文化勲章受賞者、「うるしの神様」といわれた著者が昭和30年代の終わりに3日間の対談で述べたもの。職人肌でなかなか手厳しい部分が多いが、漆の木の話から樹液である漆そのものの物理的特性はもちろん、素材、工程、技法などを詳細にその歴史を含めて解説しており、入門書としても最適と思う。
 昭和初期から国内はもとより船舶や万年筆など漆を海外からも注目させ、楽浪郡遺跡、正倉院御物、中尊寺金色堂修理など、豊富な経験談は大変面白く含蓄がある。
 この本を読んだあとでNHKの「JAPANを訪ねる旅」を見たので駆け足でやや表面的なこのTVも別の見方ができた。
山岸寿治「漆よもやま話」
山岸寿治「漆よもやま話」
こちらはまさに四方山話であって、漆そのものよりも日本の文化といった面の話が多い。木の文化、色と日本人、道具と技(わざ)と冒頭から100ページ以上にわたって漆のうの字も出てこない。後半は漆器や漆芸の話になるが、やや駆け足の印象を免れず、入門書としては読みにくい。むしろ前段を日本文化論として読むと面白い。


P.S 2006/12/10追記
「漆芸界の巨匠 人間国宝 松田権六の世界」が12月19日から東京国立近代美術館で開催される。詳細はこちら

* by 多摩の岳夫 * 19:08 * 漆芸 * comments(0) * - *